数カ月かかっていたデザインを1週間に短縮したスティッチ・フィックス

一つのスタイルを企画してストアに掲載するまでにかかる時間は、もともと数カ月単位だった。オンラインスタイリングサービス、スティッチ・フィックスの最高経営責任者マット・ベアは、最近の投資家向けカンファレンスで、自社ブランド商品を開発する際にAIを導入して以降、この企画サイクルが1週間に短縮されたと明らかにした。
ベアがあわせて紹介した機能「ビジョン(Vision)」は、顧客が服を実際に試着する前に、AIで自分にどう似合うかを事前に確認できるツールだ。AIはスタイルを構成するだけでなく、そのスタイルに合う顧客層を選び出し、画像で見せる役割まで担う。
同じ場で、ウォルマートの最高成長責任者セス・ダレアは、ショッピングアシスタント「スパーキー(Sparky)」のような自社AIツールを人の管理下で作っていると述べた。リボルブ・グループ共同代表のマイケル・カラニコラスは、店内の顧客動線を追跡する技術をエンジニア1人が約1.5週間で開発したと紹介し、3社はいずれもAIをすでに実際の運用に組み込んでいるという共通点を示した。
出典 · WWD「How Fashion Retail Is Talking the AI Talk」
AIは信頼するが、250ドルからは人が確認する

米国消費者の42%が、買い物の意思決定にAIツールを信頼すると回答した。オンラインリターゲティング企業RTBハウス(RTB House)が、米国・英国・日本・フランスの消費者1,800人以上を対象に実施した調査結果だ。AIへの信頼度は、友人・家族への信頼(59%)には及ばないものの、44%に迫った。
ただし、信頼がそのまま全権委任を意味するわけではなかった。250ドル(約35万円)を超える購入をAIエージェントが代わりに決定する場合、回答者の約60%が、先に人が確認する手続きを望むと答えた。一方で、ミレニアル世代の42%は、7日以内の返金条件が付くなら250ドル以下の購入はAIに任せてもよいと回答しており、金額と世代によってAIに委ねる範囲が分かれた。
AIは購入決定の前段階でも、すでに消費者行動を変えている。回答者の59%はAIのおかげで新しいブランドを発見したと答え、62%は価格比較にAIを活用していると明らかにした。買い物で最も多く使われているAIツールはGoogle AI OverviewとChatGPT(各43%)で、Amazonの音声ショッピングサービスAlexaの利用者は3億5,000万人を超えた。
出典 · Retail Dive「Consumers warm up to agentic AI purchases」
ルックブックスナップ。モデル・ポーズ・ムードのリファレンスで、着用候補を一画面で抽出する
RealSnapのルックブックスナップは、衣類写真とAIモデル・ポーズ・ムードを組み合わせてモデル着用カットを作る機能で、新商品が出るたびに着用画像を新しく用意しなければならないECサイトの商品詳細ページ担当者や新商品MDに適している。モデル手配とスタジオ予約、ポーズごとの再撮影を繰り返す代わりに、保存しておいたリファレンスを組み合わせる形で進められる。
ハンガーカットやマネキンカットしかない商品であれば、この組み合わせだけで複数の着用候補を一度に作成して比較する作業に置き換えられる。



